めくってみて思わず声が漏れた。この版の解説者である文芸評論家・小林広一氏の授業を学生時代に受けたことがあったのである。
その授業はたしか「近代文学研究」で、小林氏はやはりそこでも太宰作品を扱っていた。各学生は、年度始めにテキストとして購入した太宰の作品集から一作品を選んだ上で、必ず一回以上の簡単な研究発表を行わなくてはならなかった。3年次にあがるまでひどく不真面目な学生であった私は(この授業はおそらく2年次に受けていたと思う)、短いからという理由だけで「リイズ」を研究発表の題材に選んだ。そんな背景つきだが、この作品は本当に好きだ。
「リイズ」は短編であり青空文庫でも読めるので良ければ一読してほしいと思う。
「リイズ」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/292_20035.html
そんなわけで不真面目な学生であったので(再)、小林氏の授業そのものがいかなるものであったかは残念ながらあまり覚えていない。学友の一人が盛んに評価し、小林氏の指導を受けられるゼミがあれば入りたいとまで言っていた(小林氏は講師だったこともあってか、実際はそういうゼミはなかった)のだが、件の彼女は実際にゼミの決まる3年次に進級する時点で早稲田二文に編入し、今ではどうしているか知らない。
あとこれも好き。やっぱり超短編。
「満願」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1564_14134.html
TypeKey取得すたよ。何をコメントしようとしたかは忘れましたが。
Posted by: 渦 : 2007年08月08日 11:43