2006年11月26日

『少年ラヂオ』を観た

演劇集団キャラメルボックス 2007クリスマスツアー
『少年ラヂオ』

11月25日(土)〜12月25日(月) サンシャイン劇場
料金(全席指定・税込) 5,500円
http://www.caramelbox.com/
一部ダブルキャスト(Redキャスト/Greenキャスト)あり

東京のブログライターご招待」企画により、
演劇集団キャラメルボックス『少年ラヂオ』24日のゲネプロ(最終リハーサル)を観てまいりました。

キャラメルボックスの劇を観るのは今回で3回目。勿論ゲネプロは初めてです。

一般客は居ない状態で、集まったのは50人くらい。役者の表情もばっちり見える前列に陣取り。
(7列目まではスタッフ用に空けてある)


舞台となるのは大正末期の東京。
別れて暮らす弟を迎えにいくため
お金を必要としながらもスリをして暮らしている少年、ラヂオの物語です。

キャラメルボックスの劇は最初の方に群舞(ダンス)があるのですが、
今回はスリがテーマということで財布を空に放り投げてキャッチするような動きが多数取り入れられていて
おまけに役者陣は当然ながら大正期の衣装なのでとにかく華やか。
ドレスの裾がひるがえる。そして男はスーツに帽子。帽子も投げる。かっこいい。

喧嘩シーンなどのアクション、またスリの光景を描き出すストップモーションなどが
多く取り入れられていていかにも演劇ならではという感じ。
また、クリスマスツアーでもあるのでクリスマスソングを歌う場面があったり。

今回は話のテンポがいいなあと思いました。
(去年観た『クロノス』のときは繰り返しが多くて少し冗長に感じた箇所もあったので)

誰も死なないエンターテイメントなのでそこまで泣かせ系ではないけれどスカッと楽しめます。
12/25までの本公演、平日がオススメだそうです。

以下はネタバレ含みます。(フィード取得のひとはちゅういちゅうい)


守りたいはずの弟に秘密でスリをして暮らし、夢を見ないようにして生きてる等身大の主人公が
憧れのお姫様と
聡明で確固たる美学を持ち、眉目も麗しく、喧嘩も強く、そして決して名前を明かさないヒーローとに出会って
一世一代の大博打に打って出る話でして。

…そう、お姫様の魅力より白馬の騎士の魅力がばんばん描かれちゃってるわけですよ。
それは女子の目で観たから、というわけでは多分なくて。

だからこれは兄弟愛の物語あるいはお姫様との淡いロマンスを描きながらも
突き詰めれば
理想のヒーローと出会って主人公が奮起する少年成長譚なのだと思いました。


出てくる小物などの伏線がきれいに回収されていく様がまたなんとも気持ちがいいです。
キャラメルとか。本とか。


終演後に座付作家・演出の成井氏に話を聞く時間が設けられていて(これも企画としてはすごいと思う)
その場で出た話なのだけど。

成井氏自身に12歳下の弟が居て、
成井氏が大学生の頃にこの弟だけを父の妹の家に預け
あとの家族は夜逃げをしたことがあり、
ラヂオが離れて暮らす弟を迎えに行こうと思う背景にはその思い出があるのだと。

キャスティングについては
去年の『クロノス』で主役とヒロインであった二人がお嬢様と執事になっていたりするような
そういう仕掛けを楽しんでほしい、などの話も。
座付作家としてはキャスティングに関しては10割打者でありたいそうだ。分かる。

投稿者 narukami : 2006年11月26日 14:42 | トラックバック
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