日本橋ヨヲコ作品の既読のものの中で
「プラスチック解体高校」だけは少し苦手だ。
先日、直視という人はどんな人だろうかと考えていて
漠然とその理由が見えてきた。
直視が生まれついての美人で自分でもそれを分かっていて、
美しさを武器として扱える人間であることも感情移入のしにくい一因なのだが(苦笑)、
それとは別に、直視が「土俵の外側から攻撃する」傾向があることに気が付いた。
入学式にナンパしてんじゃねえ/されてんじゃねえと言われている中で啖呵を切るために
惚れてもいない男にキスをして場の度肝を抜く。
クラスメートを中学時代にいじめていた奴らに「勉強しかできないくせに」と言われ
「じゃああんたは何ができる?」と問い掛けておいて
自分自身は「好きな男の子どもが産める」と言い放つ。
直視は喧嘩を売るにも買うにも、土俵ごとひっくり返してしまう。
相手は論破されて黙り込むというよりは、納得行かず白けるのだ。
いつそんな論点での話になったの?と。
中学高校時代ならあったでしょう、
親と喧嘩してて「誰に食わせてもらってると思ってるんだ」って言われるみたいなやつ。
うまい例えではないのだが、ある意味であれに近い。
一見、直視に攻撃されてる側の方が
「中学時代にいじめをしていたことをその子の高校でのクラスメートに吹聴する輩」であったりと
"悪"の側のキャラクターであるから、凹ませることのカタルシスについ見過ごしそうになるけれど。
土俵に相手を上がらせた後でそれをひっくり返すくらいなら、
何か喋るよりはストレートに拳に訴える方がまだしも爽快ではないのか。
そしてまた、直視が辻褄の合った・かつ正論である論駁を行って
しかる後に相手をしたたかに殴りつけるというシーンはちゃんと描かれてもいるのだ。
一貫してそういうキャラであったなら作品ごともっと好きになれただろうに。
途中までこなれてなかった?(笑
まあただの論理好きなんですわな私が。